健仁君の四十九日の日から、健仁君の家庭教師であり同じ奈良高専の先輩でもある益村さんを中心として、独自の現場検証が始められた。
現場に赴き、バイクの走行・停止実験や、 ぶつかったトラックと同じ高さの車を用意した走行実験、さらにブレーキテストが繰り返し行われた。
ビデオカメラ5台で録画した映像から、カーブミラーに映ったバイクが運転手から見えたはずだったことが判明した。
また、ブレーキの痕から、トラックのスピードを15キロ位と導き出すことができた。
そして得た結論は「行く手を阻まれて停まったバイクに、トラックの方からぶつかってきた」というものでした。自力で行われたこれらの検証の後を追う形で、警察は現場を見直し、事故から8ヶ月後の2001年1月になって、運転手は書類送検された。
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ワゴン車を使用してブレーキ痕から停車位置を割り出す。
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ヘルメットにカメラを固定し、当時の状況を再現。
検証を指揮するのは益村さん(画面中央)非常に頼もしい存在だ。 -
炎天下の中、カメラ撮影。
あらゆる位置から撮影を試みる。 -
現場の坂道の端には交通整理役を設置。
周りの交通にも細心の注意を払う。 -
事故車のあるヤマト運輸まで破損したバイクを持っていき、
破損箇所から当時どのように衝突したかを検証。 -
双方の事故車の破損部分を照らし合わせ、どのように衝突したかを割り出した。
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事故鑑定人の権威、駒沢鑑定士(右から2番目)の立ち会いの下、バイクについた傷を検証。どんな細かい傷も逃さない鋭い観察力に舌を巻いた。
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我々の検証を追う形で、警察もようやく重い腰を上げた。
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カーブミラーをより見やすいものに交換。もっと早く交換していればこのような悲劇は起こらなかったかもしれない…
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健仁君の魂の下に、多くの仲間達が集った。健仁君はこの世にいなくても、みんな魂でつながっているのだと、児島さんは深く感じた。